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人と木のまじわり
木の戸籍|Wood Register
神代木
Subfossil Wood
- 呼称・解説
- 土や水に長く埋もれ、半ば化石となった木の総称。樹種により神代杉・神代欅・神代楢などと呼ぶ。
- 分布・産地
- 定まった産地はない。木を埋めた土地そのものが、産地となる。
- 杢・木目
- 木目はもとの樹種のもの。神代杉なら通直な杉目、神代欅なら力強い欅杢。
- 色・木肌
- 青みを帯びた灰色から、緑灰色、墨色へ。生木では決して出ない、埋もれた木だけの色。
成り立ち
生きていた木が、土砂や火山灰、水底に埋もれる。空気の届かない地中では、木を朽ちさせる菌がはたらけない。だから木は腐らず、何百年、ときに何千年をかけて、土の鉄分やミネラルを少しずつ取りこんでいく。鉄とタンニンが反応し、木は内側から色を変える。石になる手前で時を止めた木—それが神代木である。
香り
香りは強くない。長い眠りが、生木の匂いをしずめている。神代杉なら、奥にかすかな杉の気配。土に還りかけ、還らなかった木の、静かな香り。
希少性の背景
神代木は、つくれない。木が倒れ、埋もれ、朽ちずに眠り、ふたたび掘り出される—そのすべてが偶然の重なりでしか起こらない。多くは土木工事や川さらいの折に、思いがけず姿をあらわす。狙って採ることはできず、出会えた分だけが、すべて。同じ色、同じ時間を持つ木は、二つとない。
土の底で、人知れず眠っていた時間。それがいま、暮らしのなかに置かれている。





