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人と木のまじわり

木の戸籍|Wood Register

Zelkova serrata


呼称・解説
ニレ科の落葉広葉樹。古来、日本でもっとも優れた広葉樹のひとつとされ、寺社や家屋を支えてきた木。
分布・産地
本州・四国・九州に広く自生。山地にも、街道の並木にも。神社のご神木として残る巨木も多い。
杢・木目
大きな道管が年輪に沿って並び、年輪はくっきりと力強い。大径木には、玉杢・葡萄杢・牡丹杢、最高級とされる如輪杢が現れることがある。
色・木肌
心材は赤褐色、辺材は淡い黄。使うほどに艶を増し、飴色から朱を帯びた深い色へと移ろう。

成り立ち

長い年月をかけて大木となり、堅く、狂いにくく、朽ちにくい。その強さゆえに、清水寺の舞台の柱をはじめ、寺社や城の梁、大黒柱として、何百年もの荷を負ってきた。大径になった幹の外側には、こぶ状の組織が生まれ、繊維が乱れて杢を結ぶ。

香り

香りは穏やか。年輪のはっきりした、おおらかな木肌の奥に、しずかに息づいている。

希少性の背景

強さと美しさを兼ねた木として、臼・杵・太鼓の胴・欄間・椀、そして家具へと、広く使われてきた。とりわけ玉杢や如輪杢の現れた大径木は数少なく、銘木として珍重される。

幾百年も人の暮らしを支え、なお艶を深めてゆく木。

人と木のまじわり

木の戸籍|Wood Register

Aesculus turbinata


呼称・解説
トチノキ科の落葉広葉樹。葉の形から「七葉樹(しちようじゅ)」とも呼ばれる。日本の山に育つ、暮らしに近い木。
分布・産地
北海道南部から九州まで。とりわけ東北・北海道南部の、渓流沿いの肥沃な土地に多い。
杢・木目
心材と辺材の境はあわく、肌目は精か。仕上げると絹のような光沢が立つ。縮み杢・波杢・玉杢が現れ、「一寸八縮」と称される細やかな杢を見せることもある。
色・木肌
赤みを帯びた黄白色から、淡い黄褐色へ。金色にきらめく材、白く澄んだ材(白栃)、赤みのさす材と、一本ごとに色がちがう。

成り立ち

渓流沿いの深い土に根を張り、ゆっくりと大きくなる。風や地形に揉まれた木ほど、繊維が乱れ、思いがけない杢を結ぶ。樹高は二十メートルを超え、幹に瘤や凹凸を抱えることもある。その乱れこそが、栃の美しさになる。

香り

香りは強く主張しない。淡い色とおなじく、その気配はしずか。

希少性の背景

かつては臼や器に刳られ、暮らしの道具となってきた。実は栃餅に、花は蜜に。神社に植えられ、ご神木として祀られた木でもある。いまは大径木が減り、山深くにわずかに残るのみ。とりわけ全体が白い「白栃」は、出会うことの稀な材である。

山あいの水のほとりで、絹の光をたくわえた木。

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